
マダニ対策の服装と虫よけ選び|庭作業・散歩・ハイキングの前に確認すること
庭作業や草むらへ入る前は、長袖・長ズボンに着替え、袖口・裾・首元の肌が出る部分を減らします。 虫よけを使っても、服装と帰宅後の確認は省けません。皮膚に食いついたマダニを見つけた場合は、無理に取らず、皮膚科などの医療機関で処置を受けてください。
出発前にそろえる服、虫よけの表示、戻ってから確認する場所を順に見ていきます。庭の手入れや犬の散歩も、服に付いたマダニを持ち帰るきっかけになり得るため、山へ行く日だけの準備とは考えないでください。
マダニは春から秋に活発で、草むらややぶで服に付く
厚生労働省のSFTSに関するQ&Aは、マダニに刺されないことが重要で、特に活動が盛んな春から秋は刺される危険が高まるとし、草むらややぶなどマダニが多く生息する場所に入る場合の服装を具体的に示しています。SFTS(重症熱性血小板減少症候群)はマダニが媒介するウイルス感染症で、これまで西日本を中心に報告されてきましたが、2025年には関東や北海道で感染した症例が報告され、全国的に注意が必要とされています。
国立健康危機管理研究機構の「マダニ対策、今できること」も、マダニの多くは春から秋(3〜11月)に活動が活発になり、冬に活動する種類もいるとしています。野山だけでなく、裏山や公園、庭の手入れや犬の散歩の場面でも服に付いて持ち帰ることがあります。
服装は「隙間を作らない」|裾を入れる、首を覆う、明るい色
公式案内の服装をそのまま確認リストにします。
| 部位 | やること |
|---|---|
| 腕 | 長袖。袖口は軍手や手袋の中に入れる |
| 足 | 長ズボン。裾は靴下をかぶせるか長靴の中に入れる。農作業や草刈りでは長靴。登山用スパッツも使える |
| 足元 | 足を完全に覆う靴。サンダルは避ける |
| 首・頭 | 首にタオルを巻くかハイネック。帽子をかぶる |
| 服の色 | 明るい色。付いたマダニに気づきやすい |
| シャツの裾 | ズボンの中に入れる |
ポイントは、袖口・裾・襟元の隙間をなくすことです。マダニは服に付いてから肌の出ている場所へ移ることがあるので、入口を塞いでおくと到達しにくくなります。作業や散歩のあとに、同じ服で家の中を歩き回らないことも、持ち帰りを減らします。
虫よけはディートかイカリジン、年齢制限と「完全には防げない」を前提に
国立健康危機管理研究機構の案内は、マダニに対する忌避剤が2013年から認可され、現在はディートとイカリジンの2種類の有効成分を含む製品が市販されているとしています。使用でマダニの付着数は減少しますが、付着を完全に防ぐわけではないため、過信せず服装などほかの手段と組み合わせるよう求めています。
買うときの確認点は三つです。
- 対象にマダニが含まれているか。虫よけの表示で、対象害虫にマダニが書かれている製品を選ぶ
- 濃度と年齢制限。同案内では、ディートは5〜30%、イカリジンは5〜15%の製品が販売されており、ディートは30%の製品を12歳未満に使用しないなど年齢制限があるとされている。子どもに使う場合は表示の年齢欄を先に読む
- 肌用・衣類用の区分と素材への影響。高濃度のディートはプラスチック、化学繊維、皮革に影響することがある。衣類にも使える製品か、使えない素材は何かを確認し、腕時計などへの付着も避ける
成分の違いと選び方はディートとイカリジンの違いで、子どもに使う場合の条件は子ども用虫よけ比較で確かめます。
帰宅後は入浴して確認、刺されていたら皮膚科へ
屋外活動後は、上着や作業着をそのまま室内へ持ち込む前に確認します。国立健康危機管理研究機構は、服に付いたマダニを粘着テープなどで取り除く方法も紹介しています。
シャワーや入浴の際には、体にも付いていないかを見ます。特に首、耳、わきの下、足の付け根、手首、膝の裏などを確認してください。付いたマダニが「できもの」のように見えることもあります。服から取り除く方法と、皮膚に食いついたマダニの処置は別です。
刺されているのを見つけても、無理に引き抜きません。吸血中のマダニを無理に取り除こうとすると口器が皮膚の中に残って化膿することがあるため、皮膚科などの医療機関で除去や消毒の処置を受けるよう公式案内にあります。刺されたあと数週間は体調の変化に注意し、発熱や全身のだるさ、消化器の症状が出たら、マダニに刺されたことを伝えて医療機関を受診します。
犬や猫と暮らす家では、動物に付いたマダニの駆除と健康状態の確認も必要です。ペット用のダニ駆除剤は獣医師に相談するよう厚生労働省のQ&Aにあるので、人の虫よけを動物に使い回しません。
FAQ
庭の草むしり程度でも、長袖・長ズボンが必要ですか?
庭の手入れも、服に付いたマダニを持ち帰る場面に含まれます。長袖・長ズボンで裾などの露出を減らし、作業後は衣類と体を確認してください。短時間だから虫よけだけでよい、とは考えません。
虫よけスプレーをかければ服装は軽くてもよいですか?
虫よけは付着数を減らしますが、完全には防げないと案内されています。服装で隙間をなくすことが基本で、虫よけはその補助です。
マダニに刺されたら、どのくらい様子を見ればよいですか?
まず皮膚科で取ってもらい、その後数週間は発熱や倦怠感、消化器の症状に注意します。症状が出たら、刺された日と場所を伝えて医療機関を受診します。